売りたし、R1-Z。 

 若い頃のように、気持ち良く峠道を走ってみたいという思いから入手し、野宿ライダー寺崎氏の手により復活したR1-Z。とても魅力的なバイクであるが、この1年、機会あるごとに乗るにつけ「自分はもう若くない」という事実を痛感させられた。
 かつてに比べ衰えた動体視力と鈍った反射神経では、この攻撃的なバイクの能力を充分に発揮させられず、自分にとっては危険だし、バイクにとっては可哀想なことだと思う。また、闘病に軸足を置きながら仕事をこなしている現在の生活状況からしても、趣味の乗り物を所有するのは相応しくない。
 そんな理由から、誰かに譲渡したいと考えている。車台番号が040で始まる通称3型で、おそらく92年式。走行距離は7,400kmと年式の割に少なく程度良好、整備に必要なサービスマニュアルもある。
 興味のある方は、お名前、ご連絡先、購入希望額を明記の上、当ウェブログのコメント欄から連絡されたし。

売りたし、R1-Z。20110110-01
▲R1-Zは、パラレルツイン2ストロークエンジンを積んだヤマハ・スポーツバイクの末裔。シンプルでありながらも随所に贅沢な造りが見られる点が魅力で、加速性、制動性、取り回しの良さなど、バイクに求められる基本要素を高い次元で融合させており、個人的には傑作機だと思う。

25年前の出来事。 

 昭和60年(1985年)7月31日1130時、1台の原付バイク・ホンダMBX50が横浜市中区の街道を元町から本牧方向へ快走していた。当時の原付にリミッターの類はなく100km/h超で巡航可能なモデルもあり、このMBX50も速度計を振り切った状態で走っていた。
 快調な走りであったが、山手警察署前の交差点を直進しようとした時、その事故は起こった。

 バイクを操る青年は、対向右折車線に2台の右折待ち車両があり、それらに動きがないことを目視確認して速度を落とすことなく交差点に入ろうとした。
 しかし次の瞬間、青年の視野に思いもかけないものが入って来る。直進車線を走行していた対向車が、突然、右折待ち車両を回り込むように方向を変え右折して来たのだ。当然、ウインカーも出していない。強引な右折車両は、対向して来るバイクを完全に見落としている動きだった。いや、右折待ち車両を起こしざまに舵を切ったのだから、バイクの姿ははじめから確認出来ていなかったであろう。
「間に合わないっ!」
 バイクの青年は何故かブレーキではなく加速回避を選択。しかし悲しいかな限界付近の速度で走行しているMBX50のスロットルを開けたところでそれ以上加速するはずもない。右折して来る車両の前を抜けようと、左へバンクさせた後右へ立て直そうとしたが間に合わなかった。
 右折車両がバイク右側に衝突。その勢いで青年は7mほど飛ばされから路面に叩きつけられ、さらにアスファルト上を10mほど転がされ、歩道奥のフェンスに当たってようやく動きを止めた。

 現場が警察署の前だったこともあり、事故の一部始終は警備の警官が目撃していた。この警官も含め、目撃していた誰もが、
「死んだ」
 と思ったらしい。それほど激しい事故だったが、青年には意識があった。
 警察署の反対側には消防署があり、事故直後には救急車が到着。血まみれでボロ雑巾のようになった青年は最寄りの救急指定病院へ搬送された。
 ショック状態、全身擦過傷、骨折ヵ所不明、内臓損傷不明、頭部損傷なし。
 当時ヘルメット着用は義務化されていなかったが、青年がフルフェイスヘルメットをかぶっていたことが幸いした。アスファルトの上を転がったため、全身の至る所から出血し、肉がそげ落ちたヵ所もあったが、命に別状はなかった。
 それから3ヵ月、青年はベッドの上で暮らすこととなる。後の検査で、骨折と思われていた右足首は捻挫であることが判明。内臓にも異常はなく、派手な事故の割には外傷のみという結果であった。


 今でも事故の瞬間はよく覚えている。右折車を見た時の驚きは強烈だったし、路面を転がりながら「このまま死ぬのか」とさえ思った。血だらけの手でメットのシールドを開けた時に見えた夏の空は、この上なく眩しかった。
 もしあの時、加速回避ではなく制動回避を取っていたらどうなっただろう。おそらく右折車両の横っ腹に頭から突っ込む形となり、間違いなく死んでいたはずだ。

 今では小さくなった傷跡を見ながら25年前の出来事を思い出すと、少し涼しくなれる。

セロウ復活に向けて。 

 体調が良いとついつい作業してしまい、気がついたら体がクタクタに疲弊していることもしばしば。そうならないよう、1日の中で車両を含めた道具整備の時間を設けることにしている。
 昨日は、ここ1年半ほど不動状態にあるセロウの整備。寺崎さんの元からこのセロウを引き取り点火系を修理して以降、何ら問題なく絶好調だったのだが、その後3年に及ぶ屋外保管(雨ざらし)と、1年強の放置プレイにより、ステアリングはガチガチ、ブレーキはスカスカ状態となっていた。
 ステアリングのトラブルは、中のベアリングに問題があることは確実なので、まずはそこから着手。上側のボールベアリング周辺はグリスがネスカフェ状態で水分が混入していることは明らか。粘度が低下しグリスとして用を為していない。下側のテーパーローラーベアリングは…、グリスが見あたらず錆もあり、ほぼ固着状態ではないか! げげっ。
 町内のマニアックなバイク屋さんに必要となる部品を発注し、ひとまず作業終了。
 ステアリング修繕の整備が完了したら、フロントブレーキ油圧経路のエア抜き作業に移行する予定。
 エンジンはキック一発でかかるし、駆動系も灯火類も問題なし。リアに付けていたカゴ(これがあると便利)を撤去して見た目もスッキリしたし…。梅雨入り前には通院の足として復活させたいなぁ。

セロウ復活に向けて。20100528-01
▲素人整備らしく、いくつかの工程を端折ってある。収穫カゴの横にある弾薬箱(防水)には、清掃してから流用する部品類を入れてある。シンプルで取り回しも良く優れたバイクで、1リッターあたり30km前後と燃費も良好。

ツーリング。 

 忙しい山仕事の傍ら忙しいメディア裏方をこなすパターンに慣れたのか、生活面でも精神面でもかなり落ち着いている。山仕事も薪屋仕事も、この季節は端境期だし。
 昨年の今頃は転居先探しで慌ただしくしていたので、数年は住める場所があるだけでも安心感が得られる。

 たまには休日らしい休日を過ごしてみようと思っていたら、バイク仲間からキャンプツーリングのお誘いが。絶好調のR1-Zにテントと寝袋と薪を縛り付け、ワクワク気分で出発。
 バイクで首都高や東名を走るのは26年ぶりのこと。
「首都高の路面って、こんなに荒れてたっけ?」
 と驚きながら、体が速度感覚を忘れていることを実感。動体視力は明らかに低下(老化と呼ばないで)している。それでも、走っているうち徐々にかつての感覚が戻って来た。
「狭くて路面も悪い首都高で120km/hとか平気で出してたんだから、若かったよなぁ…」

 帰りは雨にたたられたが、合羽を持っていたので問題なし。ヘルメットをかぶっているから、ジープよりも濡れないことを再確認。
 1泊2日の短い時間ながら、仕事とか生活のすったもんだも忘れて、久しぶりで良いリフレッシュとなった。もう少し落ち着いたら、野宿道具を積んで一人旅にでも出てみようか。

ツーリング。20100524-01
▲カブり気味だったエンジンは、チョークまわりを整備して解決。愛用のテントは、19年前に購入したダンロップ V-400で、1人で使うにはちとデカい。

ツーリング。20100524-02
▲仲間が用意したダッチオーブンの中身は、激旨の豚スペアリブ。薪は私が持参。

カブ主。 

 諸事情あって、カブ主になってしまった。
 昨日引き取って来たのは、平成12年(2000年)式のスーパーカブ・カスタムで、走行距離も少なく程度極上。
 コイツは一旦私名義で登録してから知人に譲る予定だが、試乗と称して乗り回していたらカブが欲しくなっちまった。いじり甲斐もありそうだし。

カブ主。20100430-01
▲軽トラの荷台にカブは似合いすぎ。

R1-Z復活。 

 3年前に不動車として購入し、「どーせ暇なんだから復活整備を楽しもう」と思っていたものの、薪屋稼業が忙しく放置状態にあったR1-Z(3型3XC3)が、野宿ライダー寺崎さんの手により復活した。

 昨年9月の引っ越しで、この不動車R1-Zをどうしようかと悩んでいたが、手伝いに来てくれた寺崎さん(不動バイク復活整備の達人)に、
「コレ、復活させてみませんか?」
 と、さり気なく話を振ってみたところ、
「いいですよ。コレで林道ツーリングに行ったら面白い記事が書けそうだし」
 かくしてR1-Zはポンコツバイク専門「寺崎モータース」(?)に引き取られて行った。

 そして去る2月22日、復活整備+寺崎流軽量化を施されたR1-Zが戻って来た。ヒゲをたくわえホームレスにも見える初老の配送担当者曰く、
「コイツでの林道ツーリングは面白かったですよ。速いですよ、コレ。軽いし。クソ重そうなナナハンがけしかけて来たけど、相手になりませんでした」
 そうか、やっぱりコレはじゃじゃ馬なのか。名車RZ250の血を受け継いだフタハン2ストの末裔だから、そうだろうとは思っていたが…。バイクの達人が太鼓判を押すのだから間違いない。
 あぁ、早く乗りたい。ガキの頃みたいに峠を攻めに行きたい。
 しかし、鬱モード全開で体調最悪。おまけにタナカ看護長とサトウ料理長の交代人事で頭が混乱しており、とてもじゃじゃ馬に乗れるような状態ではない。再び不動産化しないよう時々エンジンをかけ、吹け上がり具合に満足する日々が続いた。

 ようやくバイクに乗れるくらいまで体調が良くなって来たのは、先週のこと。週末には親戚が集まって都下にある祖父母の墓参りが予定されていたので、コイツで行くことにした。片道65km。バイクに馴染みながらちょっくら出かけるには丁度良い。
 で、結論。速ェよ、コレ。あっという間に100km/h超えちゃうし。軽くて扱いやすいし。ちょっと油断するとすぐにカブっちゃうあたりのナーバスさも気に入った。何たってさぁ、純正でセパハンだし、純正でバックステップなんだよ。オレらの世代にゃ考えらンないよね。
 幸い近所には峠道がいっぱいあるし、遊び場には事欠かない。遊ぶだけの時間的・経済的余裕があるかどうかが問題だけど…。

 なお、このR1-Zを駈り寺崎さんが林道ツーリングに出かけた様子は、現在発売中のOutRider(アウトライダー)誌に掲載されているので、興味がある方は立ち読みで済ませず買うように!

R1-Z復活。20100403-01
▲復活したR1-Zは、各部に寺崎流軽量化が施されている。フロントブレーキはダブルディスクでそれぞれ対向4ポッドという贅沢な造り。カウルもなく、機能美が感じられる。

R1-Z復活。20100403-02
▲祖父母が眠る墓所の駐車場にて。ノーマルでこのライディングポジションというのが信じられない。

1冊購入。 

 マニアックな内容の本というのは、売られている書店が限られているので、どうしても欲しい場合は、都会に出てジャンルに特化した専門店へ行くか、ネットであさるか、版元を調べて注文するしかない。たまに地方都市でやたら品揃えが豊富な書店を見つけたりすると、妙に嬉しくなったりして…。
 この種の本を買う前には、きちんと中味を確認(つまり立ち読み)しておく必要がある。概してこの種の本は、ビニール袋に入れられていたりテープで止められていたりで、中を確認出来ないこともあり、こういう時は一種の「賭け」だ。「パイパンなんたら」という誌名にそそられ買ってみたら中味が毛むくじゃらだったというのでは、やり場のない怒りがこみ上げて来る。
 えっ? やっぱりそんな話題なのか…って? やだなぁもお、みんな助平なんだから。麻雀の話だよ、マージャン。

 早いもので、小川町に引っ越して来て半年が経った。幸か不幸か、この町には書店が少なく、マニアックな品揃えの店はない。でも、ちょっとだけマニアックな店が1軒だけある。問題は、そこが高校の通学路上にあり、制服姿の若い女性客も多いということ。いくらツラの皮が厚いといっても、若い女性の目前でその種の本をレジへ持って行く勇気はない。
「やだ~、あのオッサン、あんな本買ってるぅ。キモーい」
 なーんて言われた日にゃあ、そこら辺を出歩けなくなっちゃうじゃんか。
 えっ? 何の話かって? やだなぁもお。麻雀の話だよ。うん。

 で、えーっと…、何の話を書こうとしてたんだっけ…。そうそう、昨日、久しぶりでちょっとだけマニアックな書店に足を向けた。だって、欲しかった本はそこでしか売ってないんだもん。
 購入したのは「パイパンなんたら」…じゃない、「ナチュラルツーリング」。副題は「林道野宿主義」。アウトライダー誌(隔月刊)に連載されている同名記事のダイジェスト版で、文章担当:寺崎 勉さんと写真担当:太田 潤さんの中年以上老年未満ライダー林道珍道中記である。寺崎さんにはいつもお世話になっているし、太田さんには先日薪割り斧を買って頂いたりで、何かと恩がある。ついでに言うと、編集・発行人であるN澤さんは4×4MAGAZINE時代の先輩で、社会に出たばかりで右も左もわからない私に色んなことを教えてくれた人。
 無理を言えば見本誌の1冊くらい頂けるであろうが、それでは意味がない。ささやかながら書店で買うことが、恩に応えることとなる。今月の生活費が1万円を割り込んだ状況で税込み1,300円は痛かったけど、世の中、ゼニカネの問題ばかりではない。この内容なら、むしろ安いくらいで、バイクや野宿に興味のない人でも楽しく読める。
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ナチュラルツーリング
発行:学習研究社
ISBN978-4-05-604946-6
雑誌62553-19
定価:1,300円(税込み)