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ゲタ山へのこだわり。 

 どうやら私は、自分に課題を与え、それを克服して行くことに生き甲斐を感じる人間らしい。振り返ってみると、4×4マガジンに在籍した20代前半もそうだったし、CCVに全力を注いだ20代後半~30代後半もそうだった。ここ8年ばかり闘病のブランクもあったが、今は木こりや空師としての課題に挑んでいる。挑戦し続ける日々は、実に楽しい。

 課題という意味合いとはちょっと異なるが、目標を設定した上で他人に宣言し、それを実現させることもやって来た。
 19歳当時、たがみよしひささんを前にして、
「オレは4×4マガジンに入ります!」
 と宣言し、5年後には立場上の別冊編集長兼本誌副編集長となった。
 たがみさんに、
「いずれは仕事を発注しますから、その時はよろしくお願いします」
 と放言した約束も、4×4マガジン別冊「4×4ガイドブック91年版」で果たした。
「オレは、理想の四駆誌を作る!」
 という公言は、4×4マガジン別冊「四駆マニュアル」の制作とCCV誌の創刊・継続で 果たせたと思う。

 そして今、新しい目標をここに明言しておきたい。
「もし宝くじ類に高額(1,000万円以上)当選した場合、もしくは焚き火屋の商売で予想に反してボロ儲けした場合、私はタイヤメーカーと交渉し、金型を起こしてラジアルのゲタ山を作る」
 と。
 こうして明言することにより、私自身の励ましや区切りにもなる。
 作るのは、6.50R16。このサイズを欲しているユーザーは多い判断するし、何よりラジアルのゲタ山が生産されたなら、私が真っ先に買うだろう。
 ひとくちにゲタ山と言っても、実は奥が深い。ブリヂストンの「CROSS COUNTRY」もTOYOの「G-1」もダンロップの「MUD & SNOW」もヨコハマのゲタ山(商品名失念)も、同じゲタ山ながら微妙な違いがあった。それらの長所を取り入れた上で、新しいゲタ山を作ろうではないか。夢は広がるばかりだ。

 四駆業界の表舞台から身を引いて、すでに8年。私のような人間は、すっかり忘れられた存在だろう。
 しかし私は、多くの四駆マニアや一部の四駆業界関係者から受けた恩を忘れていない。いつかは恩を返したいと思う。それが「ラジアルのゲタ山」なのだ。
 四駆のタイヤは、ゲタ山に始まりゲタ山に終わる。
 今では入手困難となったゲタ山を復活させることは、四駆を愛し続けた人間の使命だと感じている。それが実現困難であったとしても。